2014年の「とよたデカスプロジェクト」で初めて催した、フラッシュ・モブをベースにした参加型のオリジナルムーブメントは、その後、思いもかけず、アウトリーチ活動等いろいろな場で展開させていただきました。参加者や観ていただきました皆様からのご助言、ご感想等をいただき、このムーブメントに名前をつけて、ダンスの新たなスタイルとして発足しなければと感じました。この度、初回の「とよたデカスプロジェクト」に企画ご支援いただき、このムーブメントが生まれたキッカケをくださいました亀田恵子氏(ダンス、アート評論)に名前を付けていただきました。
日常の空間にダンスを溶け込ませ、ダンスをより身近に感じていただけるツールとして、これからも多くの方々の笑顔に出会いたいと思っております。よろしくお願いいたします。
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2017年7月16日    佐藤小夜子
▲名称:「フラッシュ・マーチ -with☆-」
佐藤小夜子 DANCE LABORATORY のオリジナルパフォーマンスについて

佐藤小夜子DANCE LABORATORY(以下SSDL)が2014年に発表した作品「リスペクト☆矢作川で踊り隊!~ダンスで感じる×楽しむ×みんなの矢作川~」(とよたデカスプロジェクト参加作品)は、フラッシュ・モブをベースに生まれたオリジナルムーヴメント「フラッシュ・マーチ -with☆-」の初回公演となった。休日の矢作川河川敷でスポーツを楽しむ市民を巻き込んだこのパフォーマンスは、最終的に数十名が参加する大きなうねりとなった。

フラッシュ・モブとは、インターネットやクチコミなどの呼びかけに応じた不特定多数の人たちが、町中で突然踊り出したかと思うとあっという間に解散してしまうというもので、彼らはパフォーマンスの前後に雑踏に紛れるなどしてしまうため、パフォーマンスに出くわした人たちにはどこからどこまでがパフォーマンスなのかがわからない。日常の中に一瞬のざわめきを起こすハプニング的な要素が強いといえるだろう。
一方、SSDLのこのパフォーマンスはフラッシュ・モブに近い要素を持ちながら次のような点が異なっている。①パフォーマンスは事前の呼びかけがなくても飛び入り参加が出来るシンプルな動きであること(事前に振付を覚える必要がない)②シンプルなリズムで行進するようにゆったり展開していくため、老若男女を問わず参加が可能であること③前の人の動きを真似て後ろの人に伝えるという動きは人と人との繋がりを象徴する動きであり、参加者に連帯感や親近感を与えてポジティブな気持ちへと高めてくれること、である。

SSDLは、人それぞれが個の身体を通して何かを発見していくことをダンス表現の可能性として捉えている。「フラッシュ・マーチ -with☆-」は、カンパニーメンバーだけでなく、一般市民にもその可能性を広げる優れたツールとなり得るのではないか。矢作川の河川敷でスポーツを楽しんでいた市民、バーベキューに興じていた若者、高齢とみえる方々が好奇心を輝かせながら次々にマーチに参加していくさまは壮観だった。このパフォーマンスは、これからもさまざまな土地で、多様な人たちを巻き込みながらダンスの持つ大きな可能性を花開かせていくだろう。

Arts&Thetre→Literacy 亀田恵子
(無断転載はご遠慮ください)
過去の「フラッシュ・マーチ -with☆-」の模様
2014年9月21日 「リスペクト☆矢作川で踊り隊!~ダンスで感じる×楽しむ×みんなの矢作川~in白浜公園 フラッシュ・モブ」(Ver.とよたデカスプロジェクト事務局) 愛知県豊田市白浜公園
2015年8月1日 「小渡アートミルフィーユ」参加『佐藤小夜子ワークショップ ~キミのポーズが大変身!町を飾ろう大行進!!』 豊田市小渡町 神明神社 農村舞台
2015年8月5日 『ぶんしん012』ベビーウェルカムvol.9、さとうさよこ先生のダンスワークショップ「え?これもダンス!?」 名古屋市民ギャラリー矢田
2015年8月30日 「木のしたで」参加「あつまれ!みんなのポーズがアートにかわる?!」 豊田市平戸橋公園
2015年10月12日 「みんなでフラッシュモブ@子どもアートフェスティバル」 損保ジャパン日本興亜名古屋ビル 1Fロビー周辺
2015年11月7日 「藍千仲間展」参加「フラッシュモグ」 岐阜県中津川市古井邸
2016年8月21日 「小渡アートミルフィーユ」参加『佐藤小夜子ワークショップ ~キミのポーズが大変身!町を飾ろう大行進!!』 豊田市小渡町 神明神社 農村舞台
2017年7月16日 「佐藤小夜子DANCE LABORATORY 20周年 第13回発表会」 各務原市文化ホール
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